閉じこもっている時期が、自分を成長させる

新型肺炎ウイルスの影響で、自粛ムードの今日この頃。

 

行きたかったイベントや予定がなくなったり、お気に入りのお店がしまっているのは悲しいこと。

だが、こんな時にこそ、ゆっくりと自分の時間を楽しめるというもの。確かに、自分の中に閉じこもっているような気がして、気が滅入ることもあるかもしれない。でもこのような時期があることは、長い目線で見れば、必ず有意義なものになっている。

 

最近は、気になった本を読んだり、考え事をしたりしている。

 

あまりに忙しすぎると、本を読むことができない。本を読むには、ある程度のまとまった時間と、心の余裕がいると思うからだ。本のいいところは、家にいても自分の世界が広がるところだ。もちろん、普段の生活の中でも、新しい発見はある。でも、それ以上に本は、自分が体験したことがない世界、考えたことにない思考に触れされてくれる。

 

気候変動運動家のグレタさんの本を読んだ。彼女の生い立ちや考えていることを知ると、ニュースで見た彼女の印象とは異なることが分かった。メディアを通しての彼女の姿は、ある意味表面的なものだったのだろう。

アメリカで開かれた国際会議に出席するとき、飛行機を利用するのを拒み、ヨットで大西洋を横断したことが話題となった。「やりすぎ」「パフォーマンス」などと多くの批判を受けていたが、本を読むと、この行動は、世間の目を引きたいがための、行動ではなくて、グレタさんの信念に基づいていたものであることが分かった。

 

本を読むことで、その人が何を考えているかが伝わってくる。

メディアやSNSだけだと、グレタさんに対して、他の人がどう思っているか、どういう評価を受けているか、という面ばかりがクローズアップされ、当の本人の考えていることが伝わらず、一番大切な部分がおざなりにされることがある。

 

本を読むのは、著者との一対一での対話だ。著者の考えが分かるだけではなく、本を読むのには深い思考を必要とする。それは、物事を自分の頭で考えることにつながる。

 

 

 

また、今のように外出が禁じられ、普段やっていることから解放されると、考える時間も多くなる。

 

この思案する時期があるのは、とてもいいと思う。その時は閉鎖されているような気分に陥るが、あるとき、この考えたことが活かされ、パッと外に向かって開くのだと思う。

岡本太郎は、「人間は強烈に中に閉じこもるときと、外に開くときがある」といった。自分の中に閉じこもる時期があるからこそ、その後、自分の外側に、社会に向かって、飛び出していけるというのだ。

 

万有引力、流率法(将来、微分積分学といわれるようになるもの)、プリズムの発見、など物理学、数学、光学の3つの領域で驚くべき業績を上げたニュートン

彼がケンブリッジ大学にいるとき、ちょうどヨーロッパでペストが大流行した。そのため大学は閉鎖され、ニュートンは地元の田舎に帰らないといけなくなった。しかしそのことで、じっくりと思案に耽ることができ、さっき上げた3つの偉大な発見をすることができた。ニュートンの三大業績はすべてこの休暇中の18ヶ月に成し遂げられたものであり、「驚異の諸年」「創造的休暇」と呼ばれている。

腰を据えて考えることができるということは、新しい思考を作り出す土壌となるのかも知れない。

 

 

 

非日常的な生活を余儀なくされているいま。退屈だと感じることもあるだろう。

でも、こんな時だからこそ、普通ではなかなかできないことー本を読んだり、じっくり物事を考えること をするのがいいだろう。

 

逆にラッキー!思うくらいが気も晴れていい。たとえコロナにかからないためといって、家の中で退屈だ、暇だ、と思いながら生活をしてても、それは精神上よくないし、もったいない。

 

人生の中で、こんなにも家でじっとしていることはそうそうない。家の中でできる生活を楽しむこと、それが結果的にコロナの拡大を防ぐ、一つのポイントとなるかも知れない。