別れの日

今日で、この場所に住むのも最後だ。振り返ると、とても長く、濃い時間だったと感じる。これからの人生、どんな場所で暮らしていくかはまだ分からないが、この場所で過ごせたことは、おそらく忘れられない記憶としてあり続けるだろう。

 

今日、良かったことが3つある。

一つ目は、お世話になった方に最後の挨拶ができたこと。

最初あったときは、話すのに緊張し、いい関係を築けるだろうか、と不安でしかなかった。ゆっくりではあるが、相手のことが分かってきて、大袈裟化も知れないが、信頼関係を築くことができた。顔を合わせたのは短い時間であったが、こうして笑ってお別れを言えたこと、また自分が一歩踏み出してことで、この機会が生まれたことに対し、嬉しく思った。

 

二つ目は、後輩と会えたこと。この1年、後輩と共に過ごして時間の長かった。また会いましょう、と言われて、素直に嬉しかった。

 

三つ目は、良い言葉に出会えたことだ。

「自分のことを、自分が評価してあげなくて、誰がするの?」

 

動画を見ていて、ハッと気づかされた。今まで考えていたことが結びつき、希望の光が見えた気がした。

自分のやっていることに意味を持たせられるのは、自分しかいないのだ。

 

 

この場所で過ごす最後の夜、いつか思い出すときがあっても、その時は、たくさんある中の一つとして、曖昧な記憶として思いされるであろう。でも、この場所で過ごしたという事実に変わりはない。ここで得たもの、それを証明するのは、自分自身だ。

 

 

ありがとう、と呟いた。