夜の散歩

夜10時半くらい、フラッと家を出てみた。少し歩くと、若い子に話し声が聞こえてきた。近くには公園があって、そこにはコンクリートで作られた丘がある。その丘の上に、3~4人、人影が見え、近くには自転車が止められてあった。どうやら、そこで話をしているらしい。

 

男子だけかと思ったが、女子の声もした。年は中学生くらいだ。こんな遅い時間に公園にいるなんて、あまりよくないな、親は怒らないのだろうか、と思ったが、まあ今は学校も休校で、友達と会う機会も減り、話したいという気持ちが強いのだろうな、と思った。エネルギーに溢れている年頃だ、ずっと家にいると、ストレスもたまるだろう。

 

あたりは静かで、他には誰もいない。余計に話し声だけが、暗い公園に響く。何を喋っているかはわからなかったが、楽しそうだ。

 

こんな経験、自分が中高生のときにはなかったな、と思った。少し羨ましいと思った。少なくとも、中学の時には、学校以外の場所で異性と遊んだりすることはなかったからだ。共学なので、クラスに異性はいたし話すこともあったが、確かに距離的には異性は近くにいたが、しかしあの頃の異性は遠い存在であった。話しかけるのが恥ずかしかったような記憶がある。

 

小学生の時は、女子とか男子とかあまり意識せず遊んでいた。それが段々少なくなり、男は男、女は女で話したり遊ぶのが当たり前になっていた。

 

高校になっても、その見えない壁のような、雰囲気はあった気がする。

 

それが、大学生になると、みんなより積極的に異性と交流するようになり、その壁が一気に崩壊し、異性の距離は一気に縮まった気がした。まるで中高生時代、満足に異性と話せなかった分を取り戻すかのようにー。

 

男子と女子の関係性は、年によって変動していくのかもしれない。

そして今振り返ると、あの頃女子と話すときは、とても緊張し(特にかわいい子とは)、とても、ぎこちなかっただろうなあ、と思う。