箱わなによるイノシシの捕獲

今日初めて箱罠でイノシシを捕獲した。自分が管理している箱罠がいくつかあるのだが、どれもイノシシが近寄って入り口近くの餌までは食べるのだが、一向にかかってはくれず、こんなに労力掛けているのにこのまま入らず仕舞いだったらどうしようか、と少し(というか、かなり)心配になっていた。

そんな中、「箱罠に入っている!」と連絡が!

飛ぶように行ってみたら、扉が落ちて20キロ程度のイノシシが入っていた。寝ているのか、うずくまってじっとしている。傍にいくと気が付いて暴れだした。顔から少し血が出ている。体当たりしたときに傷ついてのだろう。それが痛いのか、扉に体当たりする前に、ストップする。それが何だが少し可愛らしかった。ただ、段々興奮してきて扉に「ガン!ガン!」と打ち付けるようになった。その様子がすごく痛そうで、

「もう、じっとしてな」

と呼びかけてみるものの、興奮は増していった。首か鼻をくくろうと何度も試みたが、中々上手くいかず、とても時間がかかった。あまりにも上手くいかず、途中何度か笑いが起きた。自分も笑ってしまった。だが、早く楽にさせて上げれない、そしてこの場面で笑ってしまう、そんな自分が嫌になった。ごめんね。

完全に動かなったときは、自分もかなり疲れ果てていた。

箱バンに乗せ山を登る。いつもこの場所は薄暗く、静まり返っている。この場所に来るときは、いつも憂鬱だ。大抵、血と泥で手や服が汚れている。

1つ思った。

「もしかして自分は、狩猟がそんなに好きではないのかも知れない」

自分は何のために罠をかけて、何のために止め刺しをするのだろうか。

混乱した頭で家まで帰り、倒れ込むように絨毯に横たわって眠った。