台風の翌朝のランニング

昨日寝るのが遅かったので、少し遅めに目が覚める。久々の予定のない、時間を気する必要のないのんびりした朝だ。

 

水をいっぱい飲み、布団でウツラウツラする。トイレにいったら目が覚めたので、テーブルで本を読むことにした。

 

感情が荒れていた昨日と打って変わって、いまは心が安らいでいる。感情は流点する。寝不足と疲れが取れれば、嵐の後の晴れ間のように明るくなるのだ。

 

昨日同じように荒れ狂っていた台風を通り過ぎ、清々しい青空が広がっていた。台風の後の朝が好きだ。田は水が滴り、セミが待ち望んだかのように鳴いている。なにより空気がいつもより澄んでいる。

 

近くの街に用事があるのだが、ランニングしていくことにした。数日前までは気温が低く、夏の終わりを感じさせられたが、今日はまた暑い。夏と秋を運んでくる大気が、戦っているような気がした。

 

途中、橋を渡る。大きな川が流れている。昨夜の雨で濁っているが、遠くの方は青く澄んで見えた。用事を終わらし、マックで朝ごはんを食べた。食べたばっかりでは走れないのでしばらく本を読んでいると、隣の席の人に突然声を掛けられた。

 

なんと、日頃お世話になっている、高校に勤めている先生だった。奥さんと小さな子ども3人できていて、ピクニックの帰りだという。こんなところで出会うなんて、と世間の狭さに驚いた。

 

帰りも走って帰る。稲刈りが終わった田んぼに水たまりができていて、サギが休んでいた。体を伸ばし、宙を見上げた。太陽の日差しを全身で受けながら、夏の香りが帰ったきたことを感じ、少し嬉しくなった。